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『きっておとこ こどものとも 年中向き 2017年9月号』
                    殿内真帆 さく
                    福音館書店 420円
こんなこと言ってはしかられるかもしれませんが、久々に
月刊絵本「こどものとも」で、これはおもしろい!と
思われる絵本に出会いました。最新号『きっておとこ』です。
「こどものとも」などで何冊かの絵本を出版している殿内真帆の
最新作。殿内さんは熱心な切手収集家という訳ではありません。
切手はとても好きだとのこと。机のひきだしから現れた
「きっておとこ」。街を歩いて様々なものと切手を使って変身
させていく展開がとてもおもしろく、デザイン的にもすぐれたものに
なっています。この作品には600枚以上の使用済み切手が登場
するとか!そしてなんとこれらすべてが殿内さんの自宅にあったもの
だそうでうす。






     
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『本を読むひと』
        アリス・フェルネ
        デュランテクストれつ子
        新潮クレスト・ブックス 2052円
パリ郊外と思われる荒れ地に住むジプシーの家族。
アンジェリーヌばあさんと、5人の息子、4人の嫁、8人の孫が
一緒に住んでいます。アンジェリーヌばあさんにとって、
この大家族は宝物です。一日中、焚き火のそばに陣取って、
貧しくとも誇りと自由と家族愛はたっぷりと持っています。
その日暮らしの彼らのもとに「よそ者」が訪れます。
黄色いルノーに乗ってエステールという女性図書館員が訪ねて
来たのです。まず子どもたちにババールからアンデルセン、
ラ・フォンテーヌまで様々な物語を読み聞かせ、皆が彼女の
訪問を待ちわびるようになるのです。
フランスで20年以上も読み継がれている物語。


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『サルってさいこう!』
           オーウェン・デイビー 作
           越智典子 訳
           偕成社 1944円
サルって何種類もいて(260種!)ちいさくてかわいいものから
でかくてこわいものまでさまざま。でもなんだか私達にとって
親しみもあります。それは人間と同じ霊長類だからかな?
とにかくこの絵本は様々なサルの生態から、進化から文化まで
いろんな角度からさぐっています。また絵がすごい。写実的に
描くのではなく、それぞれのサルの特徴をデフォルメして個性的に
描写しています。そして、人間とサルそして他の動植物と共存する
ためにはどうしたらいいのか...その問いへの示唆にも言及して
います。
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『アントワネット 
       わたしの たいせつの さがしもの』
                 ケリー・ディプッチオ 文
                 クリスチャン・ロビンソン 絵       
                 木坂 涼 訳
                 講談社 1620円
小犬のアントワネットには、3匹のおにいさんたちがいます。
みんなとても元気いっぱい。そんな兄妹をお母さんは優しく
見守っています。そんなアントワネットには、お兄さんたちと
違って得意なものがなんなのかみつかりません。お母さんは
みんなそれぞれだから、きっと何かみつかるとはげまして
くれるのですが・・・。
そんなある日、なかよし家族と公園で遊んでいると、そのなかの
一匹、ウッラッラーがみあたりません。さあ、大変!その時、
アントワネットがある事に気がつきます。
クリスチャん・ロビンソンのイラストがこの話にピッタリで、
とりこになりそう。主人公のアントワネットの一番仲良しの
ガストンが主人公の『ガストン』という絵本も出版されていますよ。

         
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新日本出版から出ている2冊の本をご紹介します。2冊とも
黒人の子どもたちを主人公に、本を読む楽しさや図書館の
魅力を描いた絵本です。まず、

『ぼくが一番望むこと』
           文=マリー・ブラッドビー
           絵=クリス・K・スーンピート
           訳=斉藤 規
           1620円

アメリカ合衆国の教育家ブッカー・トラバ・ワシントン
(1856-1915)の少年時代を描いた絵本です。ブッカーは
父、兄と一緒に岩塩の精製所で朝早くから夜遅くまで
働いているのです。奴隷制度はなくなったものの、黒人の
生活は厳しく、貧しい。そんななかブッカー少年は文字を
学びたいという強い思いがあるのです。そんなある日...。
韓国出身のイラストレータークリス・K・スーンビートの絵は
リアルで、ブッカー少年の心の叫びを見事に表現しています。

『ママ、お話読んで』
          文=バシャンティ・ラハーマン
          絵=ローリ・M・エスリック
          訳=山本敏子
          1620円
ジョーゼフは木曜日、学校の図書館に寄るのがとても楽しみ。
司書のリカードさんはお話を読むのがとても上手。僕も
あんなふうに読めたらいいな、と想います。いつしか、ジョーゼフは
本を2冊借りるようになりました。自分で読めるやさしい本と、
だれかに読んでもらうむずかしい本と。ジョーゼフにはもう一人
本を読んでくれる人がいます。コインランドリーで会う学生の
ジョーベハリーさんです。でもジョーゼフはママに一番読んで
もらいたいのですが、ママはなかなか読んでくれません。
そしてある日、その理由が・・・。写実的であたたかい絵が
魅力的です。




           
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『ほんとさいこうの日』
           レイン・スミス 作
           青山南 訳
           BL出版 1620円
おひさまがぽかぽかあったかい。ネコはせなかが
ぽかぽかです。花だんにねっころがります。
すいせんの花がいっぱいさいています。ネコにはほんと
さいこうの日。ひんやりつめたい水がイヌはだいすき。
そしてシジュウカラは?リスは?
それぞれにさいこうの日をすごしているところに...なんと!
アメリカの絵本作家レイン・スミスの最新作(2017)。
レイン・スミスは作品ごとに作風をかえます。
代表作『三びきのコブタのほんとうの話』のようにエアブラシを
使ったものもあれば、今回のように絵の具を削ったような
コラージュを使ったような(?)独特の手法で、あたたかい
表現になっています。ストーリーにぴったり。素敵な絵本です。

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『ルミッキ 全3巻』
          サラ・シムッカ 作
          古市真由美 訳
          西村書店 各1296円
3巻ともにしなやかな肉体と明晰な頭脳を持つ少女ルミッキが
主人公のヤングアダルトミステリー。
第1巻 血のように赤く では学校の暗室で血のついた札束を
目撃したことで事件に巻き込まれる。
第2巻 雪のように白く では旅先のチェコで腹違いの姉と名乗る
女性との出会いから、悪徳な宗教団体との攻防に。
第3巻 黒檀のように黒く では高校で「白雪姫」の現代版
アレンジ劇の「黒いリンゴ」の主役を演じることになった
ルミッキに、不気味な手紙が届き始める。

3作品ともにルミッキの思春期の心のうつろい、恋愛も描かれ、
人物描写も巧みです。フィンランドミステリーの独特な味わいを
楽しんでください。
読み始めたらとまらない!